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2024年6月11日(火)

眼瞼の症状から予測する食物アレルギー

2024年6月11日(火曜日)

去る6月6日〜9日に京都国際会館で日本皮膚科学会総会が開催され私も出席してきましたが、今回はその学会での講演の中から興味深い話題を紹介することにします。

昭和大学医学部皮膚科教授の猪又直子先生は「眼瞼の症状から予測する食物アレルギー」とのタイトルでご講演を行われましたが、眼瞼の浮腫を特徴とする食物アレルギーの代表は、かつて社会問題になった加水分解小麦含有石鹸の使用により生じる小麦アレルギー症例であるとの事でした。また、花粉感作が先行して発症する花粉〜食物アレルギー症候群においても、特に豆乳によるアナフィラキシーや2018年6月、2020年1月、2023年11月の本コラムでも紹介したGRP (Gibberellin-regulated protein)を原因アレルゲンとするモモや梅干しアレルギーの場合には眼瞼の浮腫の臨床像を呈しやすいそうです。さらに、赤みを帯びた食品摂取後に眼瞼浮腫を生じた症例と遭遇した場合には、コチニール色素によるアレルギーを疑う必要があるとの事でした。

これまで私には、この様に生じる臨床症状から原因となる食物アレルゲンを推測するという発想はありませんので、猪又教授のご講演は大変興味深く感じました。

   

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