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2016年4月

2016年4月3日(日)

妊娠中の血管性浮腫

2016年4月3日(日曜日)

もう1週間前の出来事になりますが、去る3月27日に東京で開催された「HAEフォーラム学術集会」という研究会に出席してきました。
HAE(Hereditary Angioedema)とは遺伝性血管性浮腫とも称されている疾患であり、補体第1成分のインヒビターであるC1 esterase inhibitorの欠損または機能低下により発症に至る疾患です。1)外傷、2)外科治療、3)歯科治療、4)精神的ストレス、5)感染、6)月経、7)経口避妊薬・エストロゲン製剤・ACE阻害薬などの薬剤の服用、などの負担が加わった場合に限って、急性発作症状を呈するとされており、1)皮膚、2)胃腸粘膜、3)気道粘膜、の一過性再発性の血管性浮腫を主症状とします。但し、気道閉塞により窒息死に至ったとの症例も報告されていますので、その対応には注意が必要です。

そしてさらに特記するべきことは、元々HAEに罹患していない方であっても、妊娠中にはC1 esterase inhibitorが低下しやすいとの傾向があるそうです。特に出産が近づくにつれて低下の割合が増強しますが、この傾向は妊婦さんの約200人に1人の頻度で認められるそうです。従って、我が国では年間約5,000人の妊婦さんにこの傾向が生じる事になり、たとえ一過性の現象であるとは言え、心に留めておく必要があると思われます。



   

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