2014年3月14日(金曜日)
今月はいつもの皮膚アレルギーについてではなく、日光角化症という皮膚腫瘍についてお話します。
昨日の夜、西宮神社会館で開催された講演会に参加し、新潟県立がんセンター新潟病院皮膚科部長の竹之内辰也先生による日光角化症に関する御講演を拝聴しました。
日光角化症とは高齢者に好発する前癌状態の皮膚腫瘍であり、放置すると有棘細胞癌という皮膚癌に移行する恐れがあります。
従来、白色人種に多く日本人での発症率はそれほど多くないとされていたのですが、日本人でも年間10万人以上発症しているとの事であり、決して稀な腫瘍ではありません。
これまでは手術による切除や液体窒素による凍結治療が代表的な治療法だったのですが、最近イミキモドという塗り薬の使用が保険下で承認されるようになりました。
竹之内先生は、この塗り薬を週に3回病変部よりも広範囲に塗布する事によって、治療効果が高まる事を示されました。
日光角化症は、特に高齢者の方の顔面に発症しやすいとの特徴があり、皮膚表面に赤くまだら状のシミや痂が生じてきたら要注意!とされています。
もし、このような皮膚病変が生じてきた場合には、是非早めに皮膚科を受診するようにして下さい。