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2024年12月

2024年12月5日(木)

難治性慢性じんましんの新規治療薬;ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤

2024年12月5日(木曜日)

従来の抗ヒスタミン薬を始めとする内服薬では治療効果が乏しい難治性慢性じんましんの患者さん方に対しては、現在オマリズマブやデュピルマブといった注射薬の使用が可能となっていますが、それでもなお膨疹の完全抑制には至らない場合も存在しています。そのような患者さん方に対してブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤という新規薬剤の高い治療効果が期待されています。

ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK:Bruton tyrosine kinase)とはFcεRIおよびB細胞受容体のシグナル伝達の下流に位置する酵素であり、その阻害薬であるBTK阻害剤は自己抗体の産生を抑制し,さらにマスト細胞や好塩基球における高親和性IgE受容体FcεRIのシグナルを抑制する作用を有しています。このような機序に基づいて、難治性慢性じんましんの痒みや膨疹形成に対する強い阻害作用が存在していると考えられています。

現在、remibrutinib、rilzabrutinib、fenebrutinib、tirabrutinibなど数種類の経口BTK阻害剤の治験が進んでいるようですが、これらの薬剤を使用可能になる事で、従来の治療では完全抑制出来ない重症慢性じんましんの患者さん達の症状が緩和する事を切に望みたいと思います。発売までにはまだ数年を要する様ですが、我々皮膚科医にとっても本当に楽しみですね。

   

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