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2008年9月

2008年9月26日(金)

アトピー性皮膚炎の講演会行ってきました。

 2008年9月26日(金) 塚口、イカリビルで催された尼崎臨床皮膚科勉強会に行ってきました。

 内容は、大阪府済生会中津病院小児科、免疫・アレルギーセンター部長の末廣 豊先生による「小児アトピー性皮膚炎を重症化させないために」とのタイトルのご講演でした。ご講演内容の各論はごく常識的なお話でしたが、特に私の心をうったのは、末廣先生の「アトピー性皮膚炎は気管支喘息と比べると治りやすい。何故ならば、喘息とは違って病変部を直接観察できるため、症状に応じて適材適所の外用剤を用いる事ができるから…」という一言でした。この言葉を聞いて、私は“我々皮膚科医はアトピー性皮膚炎の治療にこんなに四苦八苦しているというのに、小児科の先生方はもっと大変な病気と取り組んでおられるのだあ”との印象を抱き、目からウロコ状態になってしまいました。末廣先生はさらに、“アトピー性皮膚炎の治療がうまくいかない時の対応”として、1)スキンケアはうまく行えているか? 2)薬はうまく塗れているか? 3)掻破予防対策はできているか? 4)アレルゲン対策はできているか? 5)治療へのこだわりはないか? という点を挙げておられました。

 アトピー性皮膚炎の患者ご本人やご家族のみならず、我々医療関係者も難治性のアトピー症例と直面した際には、これらの末廣先生が挙げられた点を初心に戻って再確認する事が大切だなと痛感しました。 [E:club]

2008年9月3日(水)

アレルギー性疾患① コリン性蕁麻疹について

2008年9月3日 《コリン性蕁麻疹について》
まだまだ残暑厳しい日々が続きますが、ようやく少し秋めいてきました。皮膚のアレルギー性疾患の中で、秋に最も悪化しやすいものとして、コリン性蕁麻疹という病気が挙げられます。
コリン性蕁麻疹とは、汗の成分中に含まれるアセチルコリンという物質に対するアレルギー反応で生じる蕁麻疹です。汗による蕁麻疹ならば、最も汗をよくかく夏季に悪くなるのではないかと考えがちですが、現実的には夏には症状は比較的落ち着いており、秋から冬にかけて悪化する傾向があります。コリン性蕁麻疹は運動後や入浴後に症状をきたす場合が多く、大多数の患者さんは痒みではなく、むしろ“チリチリとした”痛みを訴えられるという点を特徴とします。また、汗っかきの方よりもむしろ発汗の量が少ない人に生じやすいという点も特徴的です。
なかなか治療の難しい疾患なのですが、ジルテックやクラリチンといった抗コリン作用を持ち合わせた抗アレルギー剤の服用が有効という見解も存在しています。

   

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