2008年9月26日(金) 塚口、イカリビルで催された尼崎臨床皮膚科勉強会に行ってきました。
内容は、大阪府済生会中津病院小児科、免疫・アレルギーセンター部長の末廣 豊先生による「小児アトピー性皮膚炎を重症化させないために」とのタイトルのご講演でした。ご講演内容の各論はごく常識的なお話でしたが、特に私の心をうったのは、末廣先生の「アトピー性皮膚炎は気管支喘息と比べると治りやすい。何故ならば、喘息とは違って病変部を直接観察できるため、症状に応じて適材適所の外用剤を用いる事ができるから…」という一言でした。この言葉を聞いて、私は“我々皮膚科医はアトピー性皮膚炎の治療にこんなに四苦八苦しているというのに、小児科の先生方はもっと大変な病気と取り組んでおられるのだあ”との印象を抱き、目からウロコ状態になってしまいました。末廣先生はさらに、“アトピー性皮膚炎の治療がうまくいかない時の対応”として、1)スキンケアはうまく行えているか? 2)薬はうまく塗れているか? 3)掻破予防対策はできているか? 4)アレルゲン対策はできているか? 5)治療へのこだわりはないか? という点を挙げておられました。
アトピー性皮膚炎の患者ご本人やご家族のみならず、我々医療関係者も難治性のアトピー症例と直面した際には、これらの末廣先生が挙げられた点を初心に戻って再確認する事が大切だなと痛感しました。 [E:club]