2024年9月9日(月)
近年、運動後の摂取によって筋肉合成が促進されるなどといった効果が実証され、ミルクプロテイン飲料が人気を博しているそうです。しかし、竹村らは小児用ミルクプロテイン製剤摂取後にアナフィラキシーを発症した9歳男児症例を報告しており(小児科. 2017;58:715-718)、時にはミルクプロテイン飲料の摂取によってもアレルギー症状をきたす場合はあるようです。但し、ここで特記すべき事はこの症例では通常量の牛乳の摂取は可能であったという点なのですが、その理由として牛乳中の乳蛋白量は22mg/ml、プロテイン製剤中の乳蛋白量は133mg/mlであり、プロテイン製剤1食中には牛乳1200ml分に相当する多量の乳蛋白が含まれていたとのことでした。
今回、私たちもこの症例と全く同様の経過の患者さんを経験しましたが、やはりミルクプロテイン飲料中には牛乳の約3倍量の乳蛋白が含有されている事を確認しました。従って、牛乳の摂取は可能である程度の弱い感作が生じているミルクアレルギーの患者さんにおいて、ミルクプロテイン飲料の摂取によってアレルギー症状を発現する危険性が存在しており、注意が必要であると思われます。