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2011年6月

2011年6月21日(火)

毛染め剤によるかぶれ

今月もまた少々手抜きをして、「香櫨館通信」からの転載です。
毛染め剤によるかぶれにも十分御注意下さい。


アレルギーよもやま話 第14

毛染め剤によるかぶれ

  "毛染め剤でかぶれた"との訴えで皮膚科を受診される患者さんは少なからずおられます。しかし、毛染め剤によるかぶれの大半はアレルギー性の機序によるものですので、初めて使用した毛染め剤でかぶれ症状をきたすことはまずありません。専門用語で"感作"と呼ばれますが、何度か使用しているうちに突然、アレルギー反応をきたすように体質が変わってしまうのです。

 その症状は、通常は頭皮や毛染め剤が付着した顔面〜首などにかゆみを伴った紅斑が生じてくるとの、いわゆる遅延型アレルギーと呼ばれる症状をきたす場合が大部分です。しかし、かぶれ症状を繰り返しているうちに、毛染め剤が付着した部位のみならず全身に蕁麻疹が出たり、呼吸困難や気分不良といった重篤なアナフィラキシー症状をきたす即時型アレルギーを合併する場合もありますので要注意です。さらに、一部では遅延型アレルギーを経ずに、いきなり即時型アレルギー症状を発症してしまうケースもあります。

 毛染め剤の成分の中で、特にアレルギー症状を起こしやすいのはパラフェニレンジアミンという物質であり、次いでパラトルエンジアミンやパラアミノフェノールによる場合が多いとされています。毛染め剤の包装にはしばしば、"ジアミン系を含む"とか"ジアミン系を含まない"といった記載が示されていますが、毛染めによるかぶれといった観点からはジアミン系を含まない毛染め剤の方が安全と言えるでしょう。しかし、かぶれを起こす原因物質は必ずしもジアミン系のみとは限りません。従って、毛染め剤によるかぶれが疑われた場合には、どの成分にかぶれを起こす体質になったのかを確認する目的でパッチテストという検査を行う事が望まれます。


   

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