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2022年9月

2022年9月21日(水)

木の実アレルギーについて

2022年9月21日(水曜日)

サーモフィッシャーダイアグノスティック社から送られてくる「アレルギーに関するメールニュース」の今月のテーマが木の実アレルギーでしたので、私も便乗して今回はこの話題についてお話ししたいと思います。

ナッツアレルギーに関する海外論文を読むと、よくpeanuts &tree  nuts allergyと記載されています。何故この様な表現をするのかと言うと、ピーナッツが土の中に存在しているのに対して、アーモンド・カシューナッツ・クルミ・ピスタチオ・ヘーゼルナッツなどといったその他の木の実(tree  nuts)類は全て木に植わっていますので、あえてこの様に両者を区分する訳です。ピーナッツアレルギーや木の実アレルギーの患者さんは少なからずおられますが、その中にはピーナッツ単独や特定の木の実単独のアレルギーの場合もありますし、反面ピーナッツおよび多種の木の実間で広い交差反応性を有している場合もあり、様々なパターンが存在しています。とりわけ、カシューナッツとピスタチオ、クルミとペカンの間には強い交差反応性が存在していると考えられています。

ピーナッツアレルギーと木の実アレルギーの交差反応性に関するSichererらの論文によると、ピーナッツアレルギーの患者さんの33%に何らかの木の実アレルギーを認め、そのうちの63%が1種類、22%が2種類、15%が3種類以上の木の実アレルギーを有していたとの結果が得られたとのことです。この様に、多様なパターンが存在する木の実アレルギーの特に交差反応性を担う原因アレルゲンに関する検討は過去には多くはなされていませんが、今後の検討課題として大変興味深く思われます。

   

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