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2014年7月

2014年7月6日(日)

慢性蕁麻疹は治るのか?

2014年7月6日(日曜日)

昨日は診療終了後に宝塚ホテルに向かい、西宮市皮膚科医会主催で行われた京都府立医大皮膚科講師の益田浩司先生による慢性蕁麻疹に関する御講演に出席してきました。
益田先生は、現在皮膚アレルギー界でも最もエネルギッシュに御講演や御研究を行われている新進気鋭の先生のうちのお一人です。

蕁麻疹を発症して4週間以上持続すると慢性蕁麻疹と呼ばれますが、何故4週間かと言うと、4週間以上続く蕁麻疹はそう簡単には治癒せず、その約半数は1年以上持続すると言われているからなのです。
そして、私達は慢性蕁麻疹の患者さんから、"一体いつになったら治るのですか?"との質問を良く受けるのですが、私自身もこの質問に対する回答は持ち合わせていませんでした。
今回、益田先生は、このような質問に関連した4つの文献を引用して御紹介されましたが、それはそれぞれ、1)3年間の経過観察で32%が寛解、2)1年後に35%が治癒し、28.9%で症状が軽減、3)治癒率が5年で29%、10年で44%、4)完治した慢性蕁麻疹の平均罹病期間は14.2週、との結論の論文でした。

という次第で、慢性蕁麻疹はやはり決して治りやすい疾患ではないのですが、たとえ症状が生じなくても予防的に抗ヒスタミン薬の内服を継続しておく方が治癒に至りやすいとの事でしたので、患者さん方に対しては希望は捨てず、でも気を許さずに内服薬の継続を長期的に行って頂きたいと願う次第です。
   

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