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2025年1月

2025年1月15日(水)

ビールアレルギー Part2

2025年1月15日(水曜日)

去る2024年12月20日(金)〜21日( 土)にはクリニックを休診にさせて頂き、福島県郡山市で開催された日本皮膚免疫アレルギー学会に出席してきました。今回もまた多くの新知見を学びましたが、今回は藤田医科大学先端アレルギー免疫共同研究講座〜ホーユー株式会社の川邊智史先生が発表されたビールアレルギーについて紹介したいと思います。

ビールアレルギーに関しては、2021年11月の本コラムで述べており、その際には過去のビールアレルギーの報告はホップ・ビール酵母・大麦などに起因する場合が多いのに対して、ここで紹介した症例は全て麦芽を原因とするものであったと記載しています。今回、川邊先生は8例のビールアレルギー症例を集計しておられましたが、今回もやはり全て麦芽を原因とするものでした。原因アレルゲンに関しては、既報告ではLipid Transfer ProteinやSerpinが主体であるとの事でしたが、今回の8症例中にはbeta-glucosidaseやcupincinなど過去に報告のない新規アレルゲンの関与が多く認められ、ビールアレルギーには多種類のアレルゲンが発症に関与していると考えられました。

また、今回の症例でも8例中7例で発症前にビールを取り扱う飲食業に従事していたとの事であり、ビールアレルギーにおける経皮感作の重要性が改めて確認されました。さらに、7例中6例では20歳以前から飲食業に従事していたとの事であり、飲酒可能な年齢前から既にビールアレルギーの感作が生じていたとの可能性が疑われました。

ビールアレルギーを獲得してしまうと人生が楽しくなくなってしまいますので、アトピー性皮膚炎や手湿疹のある方では特に、職業性にビールを扱う際には素手では触らないようにするなどの留意が必要だと思われます。

   

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