2012年11月16日(金曜日)
昨夜は、神戸で開催された「神戸Dermatology2012」という講演会に参加し、東京慈恵会医科大学皮膚科の中川教授による、抗ヒスタミン剤の使い方に関する御講演を拝聴してきました。
中川先生の調査によると、現在市販の風邪薬の中には第一世代という少し古いタイプの抗ヒスタミン薬が今なお多種類に含まれているそうです。抗ヒスタミン薬は皮膚科領域ではかゆみ止めや蕁麻疹の発現予防作用を期待して使用しますが、耳鼻科〜内科領域では鼻炎の予防〜治療薬としての作用を有しているため、市販の感冒薬にも多く含まれている訳です。
抗ヒスタミン薬の主たる副作用としては、眠気〜集中力低下と小児のけいれん誘発が問題になります。抗ヒスタミン薬は第一世代と第二世代とに大別され、現在我々が医薬品として処方するのはこれらの副作用を出来る限り軽減させた第二世代の抗ヒスタミン薬が主体です。しかし、市販薬に含まれる抗ヒスタミン薬は現在なお第一世代が主体であり、代表的な第一世代抗ヒスタミン薬であるジフェンヒドラミンは、何と100種類以上の市販薬に含まれているそうです。
従って、医者から処方される抗ヒスタミン薬よりもむしろ市販の風邪薬を服用する際に、眠気〜集中力低下や小児のけいれん誘発といった副作用が問題となります。風邪薬などを服用される場合には、このような副作用が生じてこないかどうか十分に御留意下さい。