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2013年5月

2013年5月13日(月)

手術中のアナフィラキシーについて

2013年5月13日(月曜日)


5月11日には診療終了後直ちに横浜に向かい、11日(土)〜12日(日)にパシフィコ横浜で開催された日本アレルギー学会に参加してきました。

今回も多くの刺激的な新知見に触れましたが、ここでは京都府立医大皮膚科の益田先生の御講演から学んだ「手術中に生じるアナフィラキシー」について御紹介する事にしましょう。

手術中のアナフィラキシーの原因としては、1)抗生剤の点滴、2)医師の使用するラテックス手袋、3)全身麻酔に使用される筋弛緩薬、の3つによるものが最も多いそうです。
また、手術中には1)全身麻酔がかかった患者さんでは本人からの訴えがない、2)手術中に皮膚が被われているため皮膚が見えず、皮疹を発見する事が出来ない、との理由で通常は血圧低下や心電図異常などの循環器障害で異常が発見される場合が多く、どうしても発見が遅れがちになるとの事でした。

一方、2010年にスガマデクスという筋弛緩回復薬が保険承認されたのですが、その作用の有効性から発売後直ちに多くの病院で使用されるようになりました。ただ、同剤によるアナフィラキシーの報告が結構多く、最近は手術中に生じるアナフィラキシーの中で同剤の比率が増加してきている様です。

私も勤務医の頃にはこのような症例にしばしば遭遇しましたが、開業医となって以降はあまりそのような機会がありません。
しかし、どのような状況にも対応できるように、"学ぶ姿勢"だけは維持していきたいと考えています。

   

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