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2022年1月

2022年1月9日(日)

アドレナリン蕁麻疹とは?

2022年1月9日(日曜日)

今回は、昨年11月に開催された日本皮膚免疫アレルギー学会で学んできたお話を紹介します。

学会のシンポジウムで、神戸大学皮膚科の福永 淳先生がアドレナリン蕁麻疹との聞き慣れない疾患について解説して下さいました。アドレナリン蕁麻疹とは、ストレス時や緊張した際に暖まると生じやすい物理性蕁麻疹の一種ですが、過去の報告例は10数例程度ときわめて稀な疾患だそうです。ノルアドレナリンやアドレナリン値は上昇するものの、ヒスタミンやセロトニン値は正常であるため抗ヒスタミン薬は無効であり、治療にはβ遮断薬であるプロプラノロールが有効とのことでした。

臨床像としては、周囲に白暈を伴った点状紅斑の形態をとる事が特徴的との事でしたが、この写真を見て、ずっと以前に私が“樋口点状紅斑型アスピリン蕁麻疹”として報告した症例と臨床像が瓜二つであることを思い出しました。いずれも稀な疾患であるだけに症例の集積は困難であろうと予想されますが、果たして、アドレナリン蕁麻疹と樋口点状紅斑型アスピリン蕁麻疹との間に何らかの因果関係が存在しているのか否か、大変興味深く思いました。

   

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