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2022年2月

2022年2月9日(水)

α-Gal以外の抗原による獣肉アレルギー

2022年2月9日(水曜日)

今回もまた、昨年11月に開催された日本皮膚免疫アレルギー学会から学んだ症例から紹介することにします。

獣肉(牛肉をはじめとするいわゆる四つ足動物)アレルギーについては本コラムでも2012年12月や2013年11月に紹介してきましたが、獣肉アレルギーとはα-Galという物質を原因抗原としてマダニに刺されることによって感作が生じ、カレイの魚卵や抗がん剤のセツキシマブといった一見全く脈絡のない因子との間で交差反応性を有するといったことを特徴とする疾患です。

ところが本学会で、兵庫県立加古川医療センターの原田朋佳先生(私と同じ苗字だなあ 笑)は、α-Gal以外の抗原による獣肉アレルギー症例を報告しておられました。その報告によると、原因抗原はコラーゲンであり肉のコラーゲンと魚のコラーゲン間には交差反応性は存在しないものの、大変興味深い事に肉を食べた際にも魚を食べた際にも生では症状は生じず、加熱した場合にのみ症状が発現するとの事でした。

一般的には加熱すると抗原性が減弱するアレルゲンが多い中で、このような現象は大変珍しい事ですが、その理由としては食物中のコラーゲンは生の状態であれば水に不溶性であるのに対して、加熱する事で水に溶けやすくなって抗原性を発揮するそうです。

本当に色々なタイプのアレルギーが存在しており、ますますアレルギーに対する興味は尽きませんね。

   

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