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2011年8月

2011年8月1日(月)

天然ゴムアレルギーに関するいくつかの話題

2011年8月1日(月曜日)

7月30日の診療終了後直ちに名古屋へと赴き、昨日は丸1日名古屋の藤田保健衛生大学で行われたラテックスアレルギー研究会に参加してきました。
ラテックスアレルギーとは天然ゴムに対するアレルギーを言いますが、ラテックスアレルギーの患者さんは手術中に医者などの使用するゴム手袋やゴム製の医療器具に接触する事でアナフィラキシーショックをきたす場合があるため、各病院関係者は入院患者さんにラテックスアレルギーの方はおられないかに関して日常的に気配りしています。

ただ、すべてのラテックスゴムが危険という訳ではなく、ラテックスはゴムの木を原料とする天然ゴムラテックスと石油を原料とする合成ゴムラテックスに大別されますが、ラテックスアレルギーとは天然ゴムラテックスによるアレルギー反応を指します。これに対して、石油を原料とする合成ゴムラテックス製品では即時型アレルギー反応の原因となる蛋白アレルゲンが溶出することはありません。
従って、ラテックスアレルギーの見地からは合成ゴム製品の使用が推奨されていたのですが、実際には合成ゴム製品に含まれる加硫促進剤などによる即時型アレルギー反応も生じうるとの事でした。

また、昨日には天然ゴムラテックスアレルギーの患者さんでは輪ゴムやタイヤなども危険なの?という質問もなされました。この質問に対する解答としては、天然ゴム製品には手袋やカテーテルなどのように遠心・濃縮した天然ゴムラテックスに型を浸すことにより形成・加工される製品(ディップドプロダクト)と、輪ゴムやタイヤなどのように固形成分であるドライラバーから成製される製品とがありますが、最終的な製品から溶出する蛋白質の量はディップドプロダクトの方が圧倒的に多いそうです。従って、ラテックスアレルギーの患者さんにとって輪ゴムやタイヤが安全という訳では決してありませんが、手袋やカテーテルなどと比較するとリスクは少ないようですね。
   

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