2025年4月6日(日曜日)
4月4日(金)〜5日(土)は休診にして患者様方には大変ご迷惑をおかけしましたが、金沢市で開催された日本臨床皮膚科医会総会に出席してきました。私も「大人の食物アレルギーに関する最近の話題」とのタイトルで講演を行わせて頂きましたが、ここでは相模原病院臨床研究センターの海老澤元宏先生による「小児期・移行期の食物アレルギーの最新情報」とのご講演内容を紹介させて頂きたいと思います。
小児の食物アレルギーの発症率は、平成16年には2.6%、平成25年には4.5%であったのが、令和6年には6.3%まで増加してきたそうです。そして、原因となる食物は従来は卵、牛乳、小麦という順序が定番でしたが、令和6年には木ノ実が2位にまで上昇してきたとの事でした。木ノ実の中ではクルミが最多でありクルミ単独でも2位で、次いでピーナッツが5位、カシューナッツが7位との事でしたが、近年の木ノ実アレルギー発症増加の最大の原因は、何と言っても我が国でのナッツ類の消費量が著増している事にあるとの見解でした。さらに特記すべきことは、卵では7割、牛乳では8割の小児の患者さんが学童期までには耐性を獲得して症状をきたさなくなるのに対して、木ノ実類では学童期までに10〜20%しか耐性を獲得できず、以降も症状が持続するとの事でした。
そのため、クルミは表示義務化され、カシューナッツも表示推奨されるようになったそうですが、私達も今後クルミを始めとするナッツ類にアレルギーの発症に対して大いに留意しておく必要がありそうです。