2018年11月19日(月曜日)
11月17日(土曜日)は休診にさせて頂き患者様方には大変ご迷惑をおかけしましたが、17日〜18日と奈良春日野国際フォーラムで開催された日本皮膚免疫アレルギー学会に出席し、色々と学んできました。
今回はその中で、京都大学皮膚科の本田哲也先生のご講演で拝聴した、"母親由来IgEは新生児にアレルギーを誘導するか?"という話題についてお話したいと思います。
母親のIgEが胎児に移行しうるかに関しては諸説がありますが、本田先生のご講演によると、臍帯血にはIgGとの複合体との形でIgEが存在しているそうです。そして、マウスの実験で、母体由来IgEを母体に注射しても胎児には移行しないものの、IgG/IgE複合体では低いレベルながら移行しうるのだそうです。
但し、そのIgG/IgE複合体抗原を新生児マウスに注射しても脱顆粒は生じないため、母体から移動したIgG/IgE複合体は新生児に対してアレルギー反応は誘導しないと考えうるとの事でした。
但し、アレルギーの家系という遺伝は歴然として存在していますので、どこかの過程でアレルギー体質を継承する機序は生じるのでしょうが、とりあえずアレルギー体質の母親から生まれた子供が出生後すぐにアレルギー反応を発症するとの危険性は少なそうで一安心ですね。