2012年12月2日(日曜日)
去る11月30日には、患者様方には御迷惑をおかけしましたが休診にさせて頂き、大阪で開催された日本アレルギー学会に参加してきました。
今回も色々と興味深い話題が多かったですが、食物アレルギーのセッションではコチニールアレルギーと並んで牛肉アレルギーが今回の注目の話題であり、複数の施設から牛肉アレルギーに関する演題発表がありました。
牛肉アレルギーとは、マダニに咬まれる事によってセツキシマブという抗ガン剤に対する抗体を獲得すると、牛肉と子持ちカレイに対してアレルギー症状を呈するようになるという経緯の病態であり、興味深い事にマダニ・セツキシマブ・牛肉・子持ちカレイという一見何の脈絡もないものの間で関連性がありそうなのです。
アメリカでは、ロッキー紅斑熱が多発するロッキー山脈周囲の地域で多くの患者さんが存在するとの事ですが、日本では何故か島根県から多数の患者さんの報告がなされています。
私自身はこのような患者さんは未だ1例も経験がありませんが、果たして牛肉アレルギーが一種の風土病なのかどうか、今後のさらなる研究が待たれるところです。