クリニックのご案内診療のご案内フォトギャラリーHOME

2024年7月7日(日)

齧歯類の小動物咬症後に生じるアナフィラキシーショック

2024年7月7日(日)

齧歯類とは、物を齧るのに適した上顎下顎に伸びる門歯を有した小動物を指し、ネズミ、モルモット、ハムスター、リスなどが齧歯類に属します。そして、齧歯類の小動物に咬まれた後に、時にアナフィラキシーショックなどのアレルギー症状が発現する場合があり、過去にはハムスターによる症例が数多く報告されています。この度私はプレーリードッグに咬まれた後にアナフィラキシーショックをきたした患者さんを経験したため、齧歯類の小動物咬症後に生じるアレルギー反応に関して少々勉強してみましたので、今回はその内容について説明してみます。

齧歯類の小動物咬症後に生じるアレルギー反応の原因アレルゲンは、主として分子量60〜70kDaのアルブミンと分子量約20kDaのリポカリンとの2種類に大別されます。このうち、アルブミンでは各動物間できわめて高い構造的類似性があるため広範な交差反応性を示すのに対して、リポカリンは種ごとに独立性の高い抗原性を示すアレルゲンと考えられています。そのため、リポカリンが原因アレルゲンであった場合には反応を生じた小動物以外の種にはそれほど留意しなくても構わないのですが、アルブミンが原因アレルゲンであると同定された場合には、特に齧歯類の他の小動物に咬まれた場合にも反応をきたす可能性があるため、他の小動物との接触も避けることが必要であると考えられます。

   

バックナンバー

Copyright © Harada Skin Clinic. All rights reserved.  無断転載を禁じます