2019年11月3日(日曜日)
少し前になりますが、10月26日に尼崎市皮膚科医会講演会で藤田医科大学ばんたね病院総合アレルギー科教授の矢上晶子先生をお招きし、接触皮膚炎に関する最新の話題に関する御講演をして頂きました。
矢上教授はまだまだうら若き女性Drですが、接触皮膚炎に関する日本の第一人者の先生です。
今回も色々と為になる新知見を教えて頂きましたが、今回はその中で2-HEMAによる接触皮膚炎のお話をしたいと思います。
2ーヒドロキシエチルメタクリレート(2-HEMA)とはアクリル剤の1種で、ジェルネイルや歯科用接着剤として使用されています。強力な感作性物質でありこれまでにもネイリストや歯科技工士にアレルギー性接触皮膚炎の報告がありましたが、近年アレルギー性接触皮膚炎の報告例が増加しており、その原因としてアクリルネイルの流行が挙げられるという事です。
2-HEMAは極めて分子量の小さなモノマーであるため毛包から容易に侵入しやすく、毛包脂腺系から吸収された後にハプテンとして作用し、ランゲルハンス細胞のキャリア蛋白と結合して抗原性を有するとの機序で発症に至るそうです。
矢上先生は、"ネイルをした後にはしっかり光硬化させる事が大切です"と強調されていましたので、アクリルネイルをされている方は特にこの点に関して十分に気をつけて下さい。