2025年2月11日(火曜日)
SCCA2とは15歳以下の小児におけるアトピー性皮膚炎の重傷度評価を目的としたマーカーであり、2021年9月に保険収載されましたが、主に成人のアトピー性皮膚炎の患者さんを扱う皮膚科医には余り知られていない検査項目ですので、ここに紹介してみます。
SCCA2は、serpinスーパーファミリーに属するセリンプロテアーゼインヒビターであり、主に上皮細胞から産生される蛋白質です。アトピー性皮膚炎の発症に強く関与するIL-4、IL-13といったTh2系サイトカインによって気道上皮細胞を刺激した際に発現が上昇することが知られており、アトピー性皮膚炎の重症度と強く相関しているため、小児アトピー性皮膚炎の重症度の指標として有用なマーカーであると考えられています。
我々皮膚科医が頻用しているTARCと比較すると、TARCは年齢によって3種類のカットオフ値が設定されているのに対して、SCCA2では年齢とは無関係に(但し、15歳以下という制限はありますが)カットオフ値は1.6ng/mlの1種類のみであり、小児に限ってはSCCA2はTARCよりも精度が高いと評価されています。
但し、TARCとSCCA2との同時測定は、保険上認められていませんのでご注意下さい。