2012 年8月1日(水)
去る7月29日(日曜日)にラテックスアレルギー研究会に参加のため、福岡まで行ってきました。
ここで、花粉アレルギーとラテックスゴムアレルギーとの関係に関して、興味深い発表を拝聴しました。
以前より、花粉アレルギーとの交叉反応によって果物〜野菜類アレルギーが生じる、いわゆるpollen-food allergy syndromeの患者さんの一部では、ラテックス製品に触れても全く異常症状は生じないにも関わらず、ラテックスの皮膚テストや血液検査での特異的IgEが共に陽性を呈する場合があることが知られていました。
そして、このような患者さんが手術を受ける場合には、果たして手術器具などから一切ラテックス製品を取り除く必要があるのか否かについて、はっきりとした対応を決められないような状況でした。
かくなる事態が生じる理由についても詳しくは判っていなかったのですが、最近このような患者さんではラテックスゴムの中のHev b 8という抗原が交叉反応に関係している事が判明しました。さらに、Hev b 8抗原は実際には症状を発現しないため、このようなタイプの患者さんではたとえ手術を受ける場合でもラテックスゴムを除去する必要はないと結論づけられたのです。
Hev b 8の測定は未だ一般の医療機関では不可能なのですが、これでようやく過剰なラテックスゴムの除去を回避出来るようになりそうです。