2019年2月19日(火曜日)
近年、クラゲへの感作によって納豆アレルギーを発症したり、マダニへの感作をきっかけに獣肉アレルギーを発症したりなど、全く因果関係がなさそうな感作抗原による食物アレルギーの発症に注目が集まっています。
今回もその一環と言えるであろうBird-Egg 症候群についてお話します。
Bird-Egg 症候群とは1985年に最初に報告された疾患であり、セキセイインコ・カナリア・オウムなどを飼っている人がその羽毛に感作した場合に鶏卵アレルギーを続発し、鶏卵の摂取によってアナフィラキシー症状をきたす疾患です。
鶏卵のアレルゲンとしてはGal d 1(オボムコイド)、Gal d 2(オボアルブミン)、Gal d 3(オボトランスフェリン)などが主要抗原として有名ですが、これらはいずれも卵白由来の抗原です。
一方、Bird-Egg 症候群の場合には、むしろ卵黄由来の血清アルブミンであるGal d 5が交差抗原として作用していると考えられています。
この様に、全く因果関係がなさそうな抗原間の交差反応による新たな疾患の報告が今後もなされていくであろうと想像され、食物アレルギーからは目を離すことが出来なさそうです。