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2020年11月

2020年11月16日(月)

アトピー性皮膚炎の新規治療内服薬

2020年11月16日(月曜日)

これまでにも、本年6月にはアトピー性皮膚炎新規治療外用薬について、本年7月にはアトピー性皮膚炎の新規治療注射薬について述べてきました。これに加えて、今回はアトピー性皮膚炎の新規治療内服薬のお話です。

もう数ヶ月前になりますが、ドイツハンブルクのエッペンドルフ大学医療センターのKristian Reich先生らは、JAK1/2阻害作用を有した経口内服薬であるバリシチニブ(Baricitinib)とステロイド外用剤の併用療法について検討した結果、中等度〜重症アトピー性皮膚炎に対して4mg/日のバリシチニブ内服+外用ステロイド剤の併用が症状を有意に改善することを報告した論文を発表されました。この研究では、329例の被験者を無作為に、1)バリシチニブ4mg/日内服、2)バリシチニブ2mg/日内服、3)プラセボ内服、群に大別し、medium以下のステロイド外用剤併用の上16週間の内服継続を行ったところ、バリシチニブ4mg/日内服群で有意に高い有効性が認められたのことでした。

バリシチニブ(Baricitinib)とは、慢性関節リウマチに対しては2017年7月にオルミエント®との商品名で本邦でも既に製造販売されている薬剤です。ステロイド外用剤単独で効果不十分な中等症〜重症アトピー性皮膚炎患者への有効性が、これまで2件の第3相試験結果で報告されていましたが、今回このような大規模試験の結果が発表されると、その有効性がますます期待される事となります。

バリシチニブ以外にもまだまだその他の新規薬剤の開発が控えているみたいであり、5年後にはアトピー性皮膚炎に対する治療指針ががらっと変わっているとの可能性もまんざら夢ではなさそうですね。

 

 

   

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