2021年9月12日(日曜日)
この度、日本アレルギー学会は、アレルギー疾患を有する一般の方を対象とした、新型コロナワクチンの接種に関する声明文を発表しました。
声明によると、1)過去に新型コロナワクチン(mRNAワクチン)に対してアナフィラキシーなど重いアレルギー反応を起こした方、2)同ワクチンに含まれるポリエチレングリコール(PEG)に対して重いアレルギー反応を起こしたことがある方、3)PEGに似た構造を持つポリソルベートに対して重いアレルギー反応を起こしたことがある方、に対しては接種を慎重に判断すべきと考えるものの、気管支喘息・食物アレルギー・アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患に罹患している患者さんであっても、“接種するワクチン成分以外のものに対するアレルギーを有している方も接種は可能”との見解を示しています。
最終的に、声明文では“全般的にみて、ワクチン接種によって得られる感染予防効果と、起こりうる有害事象の危険性とを比較すると、接種で得られる効果の方がはるかに大きいと考える”ため、「日本アレルギー学会として、ワクチン接種を推奨します」と結んでいます。
従って、当院でも患者さん方から、“私はアレルギー疾患があるのですが、ワクチンを打っても構わないのでしょうか?”とよく尋ねられるのですが、ポリエチレングリコールまたはポリソルベートに対するアレルギーの既往がある方以外は大丈夫と言えると思います。