2023年7月13日(木)
2023年3月9日に食物表示基準が改正され、クルミが表示推奨から表示義務へと変更になりました。特定原材料の見直しは、2008年にエビ・カニが表示義務化して以降15年ぶりですが、これで表示義務の食品はエビ、カニ、クルミ、小麦、ソバ、卵、乳、ピーナッツの8項目となりました。
その背景としては、近年のクルミアレルギーの報告例の増加が挙げられ、アナフィラキシーショック発症数は2012年にはクルミは第10位であったのに対して、2018年には鶏卵・牛乳・小麦に次いで第4位にまで上昇してきました。ちなみに、ナッツ類の中で近年クルミに次いでカシューナッツのアレルギー増加率が顕著であるため、カシューナッツに関しても可能な限り表示するように推奨されています。
このように表示が義務化されたことはクルミアレルギーの患者さんにとっては朗報ですが、クルミやカシューナッツなどのナッツ類は食品の原料として含まれている場合が多く、そのため外食でクルミやカシューナッツを含む食品を摂取した場合などには予防の術がなく、誤食してしまう危険性が残されています。今後は、このような点に対する更なる対策も必要ではないかと考えています。