2023年8月10日(木)
先月はクルミアレルギーについて述べましたが、今月はクルミに次いで発症が増加していることが危惧されているカシューナッツアレルギーについて論じることにします。
カシューナッツアレルギーの特徴としては、1)花粉類との交差反応ではなく、それ自身の摂取によって感作が生じる、2)ピーナッツアレルギーなどと比較して、アナフィラキシー ショックなどの重篤な症状をきたす場合が多い、という点が考えられています。また、同じナッツ類であるピスタチオおよび増粘多糖類であるペクチンとの間に強い交差反応性が存在しているため、カシューナッツアレルギーの患者さんはピスタチオおよびペクチンの摂取にも気をつける必要があります。
さらに、食品の原料として含まれている場合には予防が困難であり、過去に海老マヨ、キャラメルクリーム味のシュークリーム、バターチキンカレーパンなどの中に含まれていたカシューナッツによるアレルギー発症例が報告されています。また、カレー摂取後に生じたアナフィラキシー では通常セリ科のスパイスによるアレルギーの可能性を疑いがちですが、益海らはスパイスなどを多くは含まない小児用カレーの摂取によってアナフィラキシー をきたした場合には、まずカシューナッツなどの種実類を含んでいないかをチェックする必要があると論じています。
もし心当たりがある方は、近年増加傾向にあるカシューナッツ アレルギーの可能性を疑って留意して下さい。